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本研究開発に期待される将来展望は以下の3つです。
 
・汎用性と高い費用対効果
本研究で検証する介入法は特殊な機器や高額な薬剤を必要としないため、費用対効果は高い。
また、リハビリ資源の豊富な大病院だけでなく、リハビリテーション資源の乏しいがんセンターなどの高度がん専門医療機関でも実施可能なプログラムを開発する計画であり、容易に実施出来る汎用性を持つので、外来がんリハビリテーションプログラムが、多面的な普及・啓発活動を実施することで全国に浸透し実施されるようになることが期待される。
 
・維持的リハビリや緩和ケア主体の時期のがんリハビリへの応用の可能性
周術期・術後の病期をターゲットとした本研究が成功すれば、化学療法や放射線治療中の維持的リハビリの時期、終末期において、本研究のフォーマットを活用し、プログラムを作成することは容易である。将来、他のがんの病期への応用により、がん患者の療養生活のさらなる向上とともに、さらに大きな医療経済効果が期待される。
 
・地域がんリハビリへとの連携・移行
高齢がん患者の手術件数が増加していく状況をふまえて、将来的には、地域の在宅介護支援センターや訪問看護ステーションとも連携して、介護保険サービスの枠組みでケアプランに導入できるプログラムへ発展させていければ、在宅医療を促進し、介護者の負担を軽減し、患者とその家族の生活の質を向上し、我が国の医療経済の改善にも大きく貢献できる。
また、最近ではピアサポートとして、がんサバイバーを対象としたフィットネス教室やサークル活動が活発になりつつある。介護保険の適応にならない世代のがん患者においては、そのような地域コミュニティーがうまく活用していけるように、情報共有していく工夫や安全でかつ効果的な運動プログラムの提供なども実施していければと考えている。